プリモックス(Primox)とは
プリモックス(Primox)は三環系抗うつ薬「ノリトレン」のジェネリック薬です。有効成分の名前はノルトリプチリンといいます。
同じ三環系抗うつ薬のトリプタノールの有効成分であるアミトリプチリンと名前がよく似ていますが、ノルトリプチリンはアミトリプチリンの活性代謝物だからです。ただしアミトリプチリンがノルアドレナリンよりもセロトニンを増加させる効果が強いのに対して、ノルトリプチリンはセロトニンよりもノルアドレナリンを増加させる効果が強いという大きな違いがあります。
ちなみに日本では第一世代の三環系抗うつ薬に分類されていますが、海外では第2世代の三環系抗うつ薬(TCA=tricyclic antidepressant)に分類されることもあるようです。
抗うつ薬としての効果はSSRIなどの最近の抗うつ薬よりも強く期待できますが、三環系抗うつ薬にありがちな抗コリン作用による副作用が強いために、メインで使われることはあまりないようです。
三環系抗うつ薬に分類される日本で承認されている成分は、アミトリプチリン・イミプラミン・クロミプラミン・トリミプラミン・ノルトリプチリンの5種類があります。
製品名:プリモックス(Primox) 25mg
会社名:Sun Pharmaceutical Industries Ltd.
プリモックス(Primox)の成分
有効成分の名前はノルトリプチリン(Nortriptyline)です。三環系抗うつ薬に分類されている成分です。セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害する作用が抗うつ効果になると考えられています。三環系抗うつ薬は基本的にセロトニンとノルアドレナリンの両方の再取り込みを阻害しますが、ノルトリプチリンは特にノルアドレナリンの再取り込みを阻害する作用が強いのが特徴です。
三環系抗うつ薬は非常にうつ病に対して効果が強いのですが、大量摂取による健康被害や自殺衝動などのリスクもあるため、現在では第一選択薬としては用いられません。現在第一選択薬として使用されるSSRIなどの新しい抗うつ薬は副作用が大幅に改善されていますが効果が強くないことから、第二選択薬として使われることが多くなっています。
他の三環系抗うつ薬とくらべて服用してからお薬の効果がでるまで時間がかかることがあります。
プリモックス(Primox)の作用
日本での適応は、うつ病・うつ症状です。海外では、パニック障害、夜尿症、過敏性腸症候群、顎関節症、慢性疼痛、片頭痛の治療にも使用されることがあります。
プリモックス(Primox)の服用量
うつ病・うつ症状
通常、成人の場合の初期用量は1回に10~25mgで、1日3回服用します。症状により150mgまで増量できます。
※1日の最大服用量は150mgで、それを2~3回にわけて服用します。
症状や副作用などによって服用量は異なります。医師と相談しながら服用方法、服用量を調節してください。
プリモックス(Primox)の血中濃度
最大血中濃度 4~5時間後
血中濃度半減期 平均30(18~44)時間後
私たちの体は空気や摂取する食べ物はもちろん、薬も消化器官から吸収して血液中に取り込み血管を通して全身に送ります。そして血液中の薬の成分は必要な場所で消費されたり異物として血液中から排除されて徐々に少なくなっていきます。
血中濃度とは薬の成分が体に吸収されて血液中に溶け込んでいる量です。成分によって吸収されるスピードや体内に留まる時間の長さなどは異なります。
プリモックス(Primox)の作用時間
定期的に服用し続けることで血液中の成分の濃度が安定し効果もでてきます。三環系抗うつ薬の中では、効果がでてくるのが比較的遅いとされています。
血中濃度が安定してくると1日飲み忘れたくらいでは血中濃度があまり下がらないので具合が悪くなることもあまりありません。
プリモックス(Primox)の副作用
通常の副作用
吐き気、食欲不振、便秘、眠気、倦怠感、口の渇き、手のふるえ、低血圧、頻脈、発疹、尿が出にくくなる、性機能障害、その他
この他にも副作用はありますので、異常を感じた場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
プリモックス(Primox)の注意点
・配合されている成分にアレルギーがある方は服用できません。
・パーキンソン病のお薬のセレギリンとの併用は禁止です。ほかの安定剤と併用する場合は注意が必要です。
上記のほかにも服用に注意すべきお薬がありますので、服用中のお薬がある場合は事前に医師に伝えてください。
・緑内障、尿閉、心筋梗塞の回復初期の方は服用できません。
・前立腺肥大、心臓病、てんかん、低血圧、腸閉塞などの腸の疾患、便秘、躁うつ病、24歳以下の方、高齢の方は医師と相談しながら慎重に服用してください。
・服用中は機械の操作や運転、高所での作業は避けてください。
・服用中の飲酒はできるだけ控えるようにしましょう。
・服用をはじめると、不安になったり、症状が悪化したり、副作用で気分が悪くなったりということがあります。医師やご家族などの、周囲の方と相談しながら服用しましょう。
・服用中は定期的に肝臓と腎臓の検査をすることが望ましいです。
・自己判断でお薬の増量・服用中止などせずに医師にご相談ください。
プリモックス(Primox)の国内製品
ノリトレン錠 | 大日本住友 |
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