睡眠薬・睡眠導入剤

睡眠薬・睡眠導入剤

不眠症の治療や睡眠が必要なのに眠れない時に使用される向精神薬の総称です。向精神薬とは中枢神経系に作用するお薬の総称で、メンタルヘルス系のお薬全般が向精神薬になります。そしてその中でも、鎮静効果が高く、睡眠に効果があるものを睡眠薬や睡眠導入剤と呼んでいます。ですから一般的に睡眠薬ではなく抗うつ薬として使用されているお薬でも鎮静作用に期待して睡眠導入剤として処方されたりすることもありますので、他のお薬と明確に区別するのは難しいです。

睡眠薬と睡眠導入剤の区別は少し曖昧ですが、即効性があり作用時間が短いものを睡眠導入剤といい、作用時間が長く途中で起きたりしないような作用のものを睡眠薬と呼ぶことが多いです。これは考え方の違いでもあるので、同じお薬でも先生によって呼び方が違う場合もあります。

睡眠薬といっても自然な段階を経た睡眠ではなく薬の鎮静作用によって意識を失う状態になるので、本来の睡眠による疲労の回復などと同等の効果が得られるかどうかは意見が分かれるところです。
ただし通常の睡眠の質がよくない場合には、眠りが浅い場合に使用して睡眠のレベルを深くしたり、悪夢で起きてしまう症状を抑えたりと、症状にあわせた適切な使用法で睡眠の質を劇的に上昇させることが可能ともいえるでしょう。

睡眠薬・睡眠導入剤の化学構造による分類

バルビツール酸系睡眠薬
バルビツール酸系は100年以上前に登場した非常に古いお薬です。依存性の高さや高用量で死亡するリスクがあるなど危険性の高さがありましたが、他にかわるお薬がなかったため1920~1950年代はバルビツール酸系が唯一の睡眠薬・鎮静剤でした。
最初のバルビツール酸系の睡眠薬は1903年に開発されたバルビタールです。これが非常に人気が出たことからバルビタールの改良版の開発が進みました。1912年にはバルビタールよりも効果時間が長いフェノバルビタール、1923年にアモバルビタール、1930年にはペントバルビタールと改良版が登場します。
現在では睡眠薬としては使用されず、麻酔、てんかんの治療のほか、死刑の執行、安楽死などに使用されています。麻薬及び向精神薬取締法の対象となっていて個人輸入などでは入手できません。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬
バルビツール酸系の次に登場した向精神薬です。睡眠又は睡眠導入作用の他にも、抗不安、鎮静、陶酔、抗けいれん、筋弛緩などの作用があり様々な症状に適応があります。日本ではデパスやソラナックスなど非常によく用いられる系統のお薬ですが、世界的には依存や副作用への懸念から長期の服用についてはかなり慎重になってきています。
1955年に初めてのベンゾジアゼピン系であるクロルジアゼポキシドが偶然発見されると、それまでに麻酔・鎮静剤・睡眠薬としてつかわれていた危険なバルビツール酸系の代わりとして急速に普及していきました。しかし依存性、長期使用の有効性、乱用のリスクなどが問題になりました。
日本ではベンゾジアゼピン系のお薬に対する規制は緩やかでしたが2016年に個人輸入ができなくなるなどの規制が入りました。病院での処方は普通に行われていますが、病院にいかない方にはショッキングな出来事でした。ちなみにアメリカのFDAでもベンゾジアゼピン系のお薬は長期使用は承認しておらず、短期の服用のみ適応があります。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
化学構造はベンゾジアゼピン系ではありませんが、作用機序としてはベンゾジアゼピン系と非常に似ているお薬を指します。
バルビツール酸系よりも危険性は低いので処方されることも多いお薬ですが、高用量の場合には健忘などの副作用があります。
最初に登場した非ベンゾジアゼピン系のお薬はゾピクロン(Zopiclone)・ゾルピデム(Zolpidem)・ザレプロン(Zaleplon)の3つで、頭文字を取って「Z薬」と呼ばれました。
これらのお薬も日本では2016年から個人輸入などの規制対象になりました。病院では今まで通り処方しているので入手できなくなったわけではありません。

オレキシン受容体拮抗薬
オレキシン受容体拮抗薬とはそのオレキシン受容体にオレキシンが結合するのを防ぐことで体が覚醒状態になるのを防ぐという作用のあるお薬を指します。
オレキシンは脳の中の視床下部外側野という部分で作られる脳内物質で、オレキシン受容体に結合することで人間の体が覚醒するように指示を出す作用がある物質です。ちなみに時間や場所を選ばず強い眠気が発生してしまうナルコレプシーはこのオレキシンの不足で起こることがわかっています。
このオレキシンが発見されたのが1998年で、それから研究されはじめて日本でこのオレキシン受容体拮抗薬が睡眠薬として承認されたのが2014年です。非常に新しい作用機序のお薬なので注目されています。

抗ヒスタミン薬
抗ヒスタミン薬というと主にヒスタミンH1受容体拮抗薬を指しますが、その中でも第一世代抗ヒスタミン薬と1983年以降の第二世代抗ヒスタミン薬の2つに分けられます。鼻水やかゆみなどのアレルギー症状や酔い止めなどに使用される他、花粉症や総合感冒薬にも含まれます。
睡眠薬として使用されるのは比較的強い鎮静作用がある第一世代抗ヒスタミン薬の方になります。その鎮静作用や抗アレルギー作用が改善されたものが第二世代抗ヒスタミン薬になり、花粉症などのアレルギーや風邪などの症状の緩和に使用されるのは第二世代抗ヒスタミン薬がメインになります。

その他の睡眠薬
上記以外にも抗うつ薬や向精神薬などの中には鎮静作用などがあり睡眠薬や睡眠導入剤として使用されるお薬もあります。

睡眠薬・睡眠導入剤の効果時間による分類

睡眠薬を使用する際に気になるのは主にこの3つでしょう。
・薬が効いてくる時間
・効果が切れる時間
・副作用
この中でも効果が切れる時間は、生活に大きく影響するので一番重要視している方が多いのではないでしょうか。

服用したお薬は体内で吸収されて血管を通り全身をめぐって効果を発揮します。そして徐々に肝臓や腎臓で代謝されて体外に排出されていきます。お薬はその種類によって、体に吸収される速度や代謝される速度が大体決まっています。もちろん肝臓や腎臓の機能が低下していたり具合が悪かったりするとその値は上下しますが、お薬を開発する際に臨床試験でデータを取っているのでおおよその目安にはなるでしょう。
ここでは睡眠薬・睡眠導入剤として使用されるお薬の、血中濃度をみていきます。
薬の成分の血中濃度が一番高い数字になるときが一番効果がある時でこうなるのが速ければ速いほど効きが速いことになります。そして血中濃度がピーク時の半分になる時間=半減期になるのが早ければ薬の効果が切れるのが速く、遅ければ遅いほど効果が持続するということになります。

短時間型(半減期)

トリアゾラ(2~4時間)
ハルシオン
ゾルピデム(1.8~2.3時間)
マイスリー
ゾピクロン(4時間)
アモバン
エスゾピクロン(5時間)
ルネスタ
ブロチゾラム(7時間)
レンドルミン
ブスピロン(2~11時間)
バスパー
ロルメタゼパム(10時間)
エバミール/ロラメット
リルマザホン(8~13時間)
リスミー

中時間型

ニメタゼパム(12~21時間)
エリミン
フルニトラゼパム(24時間)
ロヒプノール/サイレース
エスタゾラム(24時間)
ユーロジン
ニトラゼパム(28時間)
ベンザリン

長時間型

クアゼパム(36時間)
ドラール
フルラゼパム(65時間)
ダルメート
ハロキサゾラム(85時間)
ソメリン

睡眠薬系以外の睡眠薬

ラメルテオン(1~2時間)
ロゼレム
エチゾラム(6時間)
デパス
トラゾドン(6~7時間)
レスリン
アモキサピン(8(30)時間)
アモキサン
クロルプロマジン(12時間)
コントミン
ドキセピン(19~73時間)
ドキセピン

個人輸入で購入できる睡眠薬・睡眠導入剤

睡眠薬は乱用や副作用の懸念から法律によって取扱が厳しく制限されており、個人輸入などで入手できるものは限られています。睡眠薬をお求めの場合は医師の診察を受けて病院で処方してもらうことをお薦めします。

ブスピロン系(2~11時間)
バスポン(Buspon) 5mg×50カプセル錠 バスパージェネリック
バスピン(Buspin) 5mg×100錠 バスパージェネリック
バスピン(Buspin) 10mg×100錠 バスパージェネリック

トラゾドン系(6~7時間)
トラゾニール(Trazonil) 50mg×100錠 レスリンジェネリック
トラゾニール(Trazonil) 100mg×100錠 レスリンジェネリック

アモキサピン系(8(30)時間)
アモライフ(Amolife) 50mg×100錠 アモキサンジェネリック
アモライフ(Amolife) 100mg×100錠 アモキサンジェネリック

クロルプロマジン系(12時間)
クロルプロマジン(Chlorpromazine) 50mg×100錠 コントミンジェネリック
クロルプロマジン(Chlorpromazine) 100mg×100錠 コントミンジェネリック

ドキセピン系(19~73時間)
ドキシン(DOXIN) 10mg×100カプセル錠 ドキセピンジェネリック
ドキシン(DOXIN) 25mg×100カプセル錠 ドキセピンジェネリック
ドキシン(DOXIN) 75mg×100カプセル錠 ドキセピンジェネリック

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